「医療クラスタ」の発言の疑問点 その11(EARLのコロナツイート氏の発言について)

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発端

EARLのコロナツイート氏(以下、EARL氏)がこんなツイートをしていました。

最初のツイートでリンクを張っているのはこの記事。

予備費10億円、PCRに使い残額49万4000円 広島県、積み増しへ | 中国新聞デジタル
 広島県は12日、2021年度一般会計当初予算で不測の事態に備えて確保していた予備費10億円の残額が49万4千円になったと明らかにした。新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐPCR検査にほぼ充てた。14日...

 広島県は12日、2021年度一般会計当初予算で不測の事態に備えて確保していた予備費10億円の残額が49万4千円になったと明らかにした。新型コロナウイルス感染の拡大を防ぐPCR検査にほぼ充てた。14日開会の県議会臨時会に提案する21年度一般会計補正予算案で10億円を積み増す。

 県財政課によると、当初予算の予備費から、広島、福山両市の事業所(従業員10人以上)を対象にしたPCR集中検査に6億4100万円を割いた。PCR関連ではほかに、感染動向の早期把握のためのモニタリングに2億7300万円▽広島市中区の本通り商店街そばに開設するPCRセンターに4300万円▽三原市での臨時検査ブース設置に3千万円―を使う。

これを基に「10億円つっこんでおいてこの結果」「この広島県の大規模PCRは、県の専門家会議メンバーは全員が反対していた」などと言っているのですが、疑問があります。

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「10億円つっこんでおいてこの結果」という批判は正当か?

まず、記事に「広島、福山両市の事業所(従業員10人以上)を対象にしたPCR集中検査に6億4100万円を割いた」とありますが、これは2021年5月6日から28日の間に実施されたものです。

[広島市・福山市] 全事業所 PCR検査 集中実施【R3.5.6会見】 - 広島県
令和3年5月10日から広島市内の全事業所を対象(約40万人対象)にしたPCR検査の集中実施を行うことを予定しています。連休(GW)中の行動のついてのお願いなども掲載しています。

それに対してEARL氏が2つ目のツイートで添付した画像は2021年1月から6月までの新規陽性者数の推移のグラフですが、移動平均を見ると、3月中旬を底に少しずつ増え始め、4月半ばに増えるペースが上がり、5月に入るとさらに増えるペースが上がってピークを迎えた、というものです。
10億円のうち半分以上は5月に使われているのですが、「10億円つっこんでおいてこの結果」と言えるのですかね? 記事には「集中検査」とあるだけで時期は示されていないので「1月以降に10億円使った」と勘違いしたというか思い込んだのだと思いますが、「2021年度一般会計当初予算で不測の事態に備えて確保していた予備費10億円」とも書かれています。
記事をきちんと読んでいれば「この10億円は4月以降に使われたのだろう」ということぐらいわかると思うのですが、その上で「10億円つっこんでおいてこの結果」と批判できるような状況になっていると考えたのでしょうか? 移動平均で見て4月半ばに増えるペースが上がっているということは、3月末までにすでに感染が増えていたということだと思うので、「この結果」から「4月以降の対応が悪い」とは言えないと思います。

1月に表明された大規模検査について

ここで勘違い、思い込みの原因になったのは、知事が1月に表明した大規模検査だと思います。

山陽新聞デジタル|さんデジ

 広島県は15日、新型コロナウイルスの感染が拡大している広島市の中心部4区の全住民と就業者を対象に、無料のPCR検査実施を検討していると明らかにした。対象者は最大80万人となり、全国的にも珍しい大規模検査となる。

PCR28万人想定、費用10億円 広島県の大規模検査 議会側、効果疑問視も | 中国新聞デジタル
 広島県が広島市内4区で計画している無料、任意の大規模PCR検査の概要が26日、分かった。住民と働く人のうち約28万人が受けると想定。1日当たり約8千件を検査し、1カ月程度で終えるのが柱となる。県は必...

 広島県が広島市内4区で計画している無料、任意の大規模PCR検査の概要が26日、分かった。住民と働く人のうち約28万人が受けると想定。1日当たり約8千件を検査し、1カ月程度で終えるのが柱となる。県は必要な費用を約10億円と見込んでおり、2月3日に開会予定の県議会臨時会に諮る2020年度補正予算案に計上する方向で最終調整に入った。

しかし、この計画は頓挫します。

大規模PCR大幅縮小へ 広島県、コロナ感染状況改善受け検討 | 中国新聞デジタル
 広島県が広島市内4区で今月中旬から計画している住民や働く人たちを対象にした新型コロナウイルスの大規模PCR検査で、県が規模を大幅に縮小する方向で検討していることが8日、分かった。市の感染状況が改善す...

 広島県が広島市内4区で今月中旬から計画している住民や働く人たちを対象にした新型コロナウイルスの大規模PCR検査で、県が規模を大幅に縮小する方向で検討していることが8日、分かった。市の感染状況が改善する中、検査の費用と効果を見極めながら、最終調整しているとみられる。

これは結局、「最大8000人」となりました。

PCR検査集中実施の進め方【令和3年2月10日】 - 広島県

結論「『10億円つっこんでおいてこの結果』という批判は的外れ」

恐らくは上記の件が頭にあったため、EARL氏は10億円を使い切ったことへの批判として、1月以降の新規陽性者数の推移のグラフを出したのだと思います。
ですが実際には10億円のうち、半分以上が5月に使われたのであり、そのグラフを出しての批判は的外れだと思います。
そもそも記事をまともに読まず、思い込みで批判したとしか思えません。

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「この広島県の大規模PCRは、県の専門家会議メンバーは全員が反対していた」というのは本当か?

EARL氏の3つ目のツイートに「この広島県の大規模PCRは、県の専門家会議メンバーは全員が反対していた」とありますが、2つ目のツイートの時点で勘違い、思い込みがあったとすれば、これも勘違い、思い込みと考えるのが妥当です。
実際、元記事は見つからなかったのですが、1月当時は「専門家会議は反対している」というのを見た気がします。
ですが、「2021年度の予備費」を使った5月の「集中検査」に、「県の専門家会議メンバーは全員が反対していた」のでしょうか?
検索が下手なのか、これもそのような記事は見つからず、かといって賛成というのも見つからなかったので、「全員が反対」という可能性も残ってはいるのですが、仮にそれが正しかったとして「他のことと勘違いして行った発言がたまたま状況が一致しただけ」であり、根拠もなくした発言ということに代わりはないと思うのです。

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最後に

この記事がご本人の目に留まり、何かしら対応していただけるといいな、と思います。
ちなみに

と指摘したのに無視されたことを付け加えておきます

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