検査の感度とか特異度とか精度とか 「射的」を例にした説明

2日前に「感度、特異度、精度という言葉が飛び交いつつ、話がかみ合ってない」ということで記事を書いたのですが。

検査の感度とか特異度とか精度とか
感度、特異度、精度という言葉が飛び交いつつ、話がかみ合ってないな、というのを見掛けたのでまとめてみます。(医療者の言う)感度、特異度臨床検査の偽陽性と偽陰性について(PDF)検査の感度と特異度検査の偽陽性や偽陰性の程度は,臨床研究で多数の患...

その記事で取り上げているいいな氏が射的に例えて説明しているのですが、意味がわからないので記事にしてみます。
ちなみに、いいな氏は以前は「精度」と言っていたものを「精確度」と言うようにしたようです。

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(医療者の言う)感度、特異度

臨床検査の偽陽性と偽陰性について (PDF)

検査の感度と特異度
検査の偽陽性や偽陰性の程度は,臨床研究で多数の患者さんに検査を⾏って調べます。まず,
最も信頼性の⾼い⽅法で病気の有無(感染症なら感染のある・なし)を診断し,病気のある群,
無い群での評価対象検査の結果を図のように集計します。

病気がある群での検査の陽性率(真陽性率)を検査の感度,病気が無い群での検査の陰性
率(真陰性率)を特異度と呼びます。

いろいろ言葉が出てきますが、

  • 真陽性:病気に感染していて検査の結果が陽性
  • 偽陽性:病気に感染しておらず検査の結果が陽性
  • 偽陰性:病気に感染していて検査の結果が陰性
  • 真陰性:病気に感染しておらず検査の結果が陰性
  • 感度:真陽性の人数/感染ありの人数=真陽性/(真陽性+偽陰性)
  • 特異度:真陰性の人数/感染なしの人数=真陰性/(偽陽性+真陰性)
  • 陽性的中率:真陽性の人数/検査で陽性の人数=真陽性/(真陽性+偽陽性)
  • 陰性的中率:真陰性の人数/検査で陰性の人数=真陰性/(真陰性+偽陰性)

と定義されています。
また、正診割合という言葉もあるようです。

  • 正診割合:(真陽性+真陰性)/全数

以上、2日前の記事の引用ですが、これを表にすると

病気
感染あり 感染なし
検査 陽性 真陽性 偽陽性
陰性 偽陰性 真陰性

このようになります。

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「射的」の例え

いいな氏の「射的」の例え

いいな氏の説明から「的がないと判定したら撃たない、的があると判定したら撃ち、それが的中したかどうかも見る」ということになるかと思います。
それを表にすると下のようになります。

実際の的の有無
的あり 的なし
的の有無の判定 的あり 撃って的中 A B
撃って外れ C D
的なし E F
  • 特異度:「的があれば的がある。無ければない。と正確に判断できるかどうか?」
  • 感度:「的にきちんと弾を当てれるかどうか?」=A/(A+C)ということ? 「的なし」の判定は「的に当たっていない」ということでEも分母に加える?
  • 偽陽性:「的がないのに的がある!と判定」=B+D
  • 偽陰性:「的があるのに当たらな」い=C? 「的なし」の判定は「的に当たっていない」ということでEも加える?

ですが、偽陽性が「的がないのに的がある!と判定」というのであれば偽陰性は「的があるのに的がないと判定」とするべきであるのに「的があるのに当たらない」となっていたりして、「的の有無の判定」だけにすべきなのに「的に当たるかどうか」という条件を加えており、正確に場合分けをして2X2の表を作ることはできません。

また、「分析感度」「臨床的感度」という言葉が登場しますが、そういう言葉は検索すると出てくるものの、「分析感度」は治療において用いる言葉のようで、いいな氏の言っているのが正しいかというと、疑問は残ります。

「射的」の例えでの説明

「射的」で陰性、陽性の例えをするなら、「撃って的に当たるか」というのは考えず、「的の有無の判定」のみで場合分けをすべきです。

実際の的の有無
的あり 的なし
的の有無の判定 的あり a b
的なし c d

特異度などの説明と式は以下のようになります。

  • 特異度:的がない場合(b+d)で、的がないと判定(d)した割合=d/(b+d)
  • 感度:的がある場合(a+c)で、的があると判定(a)した割合=a/(a+c)
  • 偽陽性:的がないのに的があると判定(b)
  • 偽陰性:的があるのに的がないと判定(c)
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感想

「精度」の件もそうですが、「本人が正しく理解できていないなら意見を同じくして仲良くしている人が指摘してあげればいいのに」と思いましたが、こんな説明を持ち上げる人しかいないのでしょうか。
「意見が同じ」ということで主張を全て盲信するのでしょうか。
意見が違っても(違うからこそ)「精度」について粘り強く質問したなとろむ氏の方がよっぽど真摯で誠実だと思います。
ただ、いいな氏はそういう人の指摘を受け入れる様子がない(というか理解できていない?)のが残念です。だからこそ「話が通じる人」が指摘すれば、と思うのですが。

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