「マスク頭痛」における「二酸化炭素過多」についての考察

マスクによって引き起こされる頭痛「マスク頭痛」の原因の一つとして、「二酸化炭素過多」を挙げる説明があります。
ですが、その説明には疑問があるので考えを書いていきたいと思います。

スポンサーリンク

「二酸化炭素過多」の説明

コロナ禍で急増!「マスク頭痛」はなぜ起きる?| 痛みに効くコラム| ナロン | 大正製薬
実は今、マスクによって引き起こされる頭痛「マスク頭痛」に悩まされる人が増えています。 「最近、原因はよく分からないけれど頭痛がして…」という人は、もしかしたら「マスク頭痛」かもしれません! マスク頭痛を引き起こす3つの原因を知って、しっかりと対策をしていきましょう。| 痛みに効くコラム| ナロン | 大正製薬

マスクを着用していると、自分が吐いた息をまたすぐに吸うことになります。すると結果的に二酸化炭素を多く含んだ空気を吸うことになり、脳が二酸化炭素過多の状態になってしまいます。

頭蓋の内側には、脳に酸素と栄養を供給するための血管(頭蓋内血管)が張り巡らされていて、絶えず脳に血液を送っていますが、二酸化炭素は頭蓋内血管を最も強く拡張させる化学的因子で、この拡張が、片頭痛を引き起こしてしまうのです。

外気を遮断できる性能の良いマスクほど、二酸化炭素が豊富で酸素が少ない空気を吸うことになるので、血管が拡張し、片頭痛が起こりやすくなります。

定性的にはそういうことも起きる得ると思いますが、「自分が吐いた息をまたすぐに吸う」というのがそれほど問題なのでしょうか?

スポンサーリンク

反論

死腔を考慮しないもの

マスクの形状などにもよりますが、マスクの隙間の容積は、唇の幅が5cm程度、鼻の高さが3cm程度とすれば、底面が底辺5cm、高さ5cmの三角形で高さ3cmの三角錐(=12.5ml)程度と考えられます。
それに対して、1回の呼吸量は500mlとされ、そのうちの10mlほどが呼気だろうとどれだけの影響があるのでしょうか?

死腔を考慮したもの

実際には、肺を出た空気は気道や口腔、鼻腔を通って外に吐き出されるわけですが、外までは出ずに気道などに残る空気もあります。その部分が死腔と呼ばれ、150mlほどとされています。マスクをすることによって口の周りに呼気が残りますが、マスクで覆われた分だけ死腔が増えると考えることができます。
ここで、マスクをしていない時、1回の呼吸量を500ml、死腔を150ml、酸素濃度は呼吸によって20%から17%に減少、二酸化炭素濃度は0.03%から1%に増加すると仮定すると、1回の呼吸で酸素は10.5ml取り込まれ、二酸化炭素は3.395ml吐き出されることになります。
マスクをしたことで死腔が160mlになり、「1回の呼吸で酸素は10.5ml取り込まれ、二酸化炭素は3.395ml吐き出される」というのは変わらないとすると、呼気の酸素濃度は16.91%、二酸化炭素濃度は1.029%となります。マスクをしたことで抵抗が増加して呼吸量が480mlに低下したと仮定すれば、呼気の酸素濃度は16.72%、二酸化炭素濃度は1.091%です。
確かに二酸化炭素濃度は上昇しますが、これでどれだけ血管の拡張が起こり、頭痛を引き起こすのでしょうか? また、酸素濃度の低下、二酸化炭素濃度の上昇があれば血管の拡張だけでなく、呼吸量の増加、呼吸数の増加もして補おうとするはずで、実際にはこれほどは変化しないと思われます。
いずれにしても、定性的にはあり得るけど定量的にどうなのか、と思います。

スポンサーリンク

おまけ

「自分が吐いた息を再び吸う」ことが有害だと言う人もいるようですが、説明したように死腔というものがあり、「肺から出たけど外には出ずまた肺に戻る空気」はマスクをしていなくても呼吸するたびに発生します。
ここで、「(マスクに残った程度の量の)自分が吐いた息を再び吸う」のと「肺から出た空気が死腔で止まってまた肺に戻る」のとで何が違うのでしょうか? 僕には違いがないように思えるのですが。

コメント

タイトルとURLをコピーしました