相棒3 第12話 「予告殺人」

放送日:2005年1月26日

第12話
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あらすじ

公式

殺害する相手の名前を電話で告げる殺人犯が出現!
手も足も出ない警察は、唯一助かった被害者女性から話を聞こうとするが…。
かつて姉をストーカーに殺され、警察不信に陥った彼女の心は開くのか?

 捜査一課の要請を受け、薫(寺脇康文)は犯罪被害者の集いの見学へ。姉をストーカーに殺された愛(一戸奈未)が臨床心理士の堀(樋口浩二)から発言を促されるが、いまだにショックが大きく何も言えない。堀の説明によると、被害を訴えた警察からも相手にされず、殺害されたとき白昼にも関わらず誰も助けようとしなかったとか。会が終了した後、薫は堀に挨拶するが、強烈な嫌味を言われ…。
 ヤマモトヒロミという人間を殺すという予告電話が警察に入った2日後、予告どおり山本弘己(山本東)という男性が殺害された。その前には同様の手口で伊藤洋子という女性が殺されている。このままでは第3、第4の犯行もありえる。イタズラ電話と放っておくわけにはいかなくなった警察は記者会見を開くが、あまりの無策ぶりにマスコミから激しい非難を浴びてしまう。

 その犯人と名乗る男から美和子(鈴木砂羽)を名指しで電話が入った。山本殺害の状況を詳しく話すところをみると、どうやら本物の犯人らしい。そして今度は都内に住むサイトウアイという人間を3日以内に殺すという。「今度は助けられるかな?」と挑戦的な犯人に、美和子は右京(水谷豊)の指示に従いイタズラ電話と区別するためのキーワードを教えろという。そんな美和子に犯人は「キングチャイルド」と名乗るが…。

 さっそく美和子は捜査一課の24時間監視体制のもと、犯人からの電話を待つことに。それにしてもなぜ犯人は美和子を指名してきたのか。これまでの被害者もまったく関わりがないし、「キングチャイルド」という言葉に思い当たることもない。しかし、捜査のきっかけすらつかめない伊丹(川原和久)らは、犯人との接点があるはず、と美和子にここ数カ月の行動を書き出せる。
 深夜1時ごろ、キングチャイルドから美和子に電話が入った。予定より1日早く殺人を実行に移すという。美和子は指示に従い懸命に時間を引き延ばしたおかげで逆探知に成功。発信元とされる都内の公衆電話へと急行するが、すでにキングチャイルドは逃げたあとだった。周囲を捜索したものの、近くでタクシー止まっていただけ。中にいた運転手は仮眠をとっていたため、何も見なかったという。

 翌朝早く、薫がカウンセリングで目にした佐藤愛が何者かに襲われる事件が発生した。幸い怪我だけですんだが、確か美和子は「サイトウアイ」と言っていたはず。絶対「サイトウアイ」と言っていたと言い張る美和子だが、そのときは電話の録音もされておらず証拠はない。落ち込む美和子に右京は、愛を狙う犯人の罠かも、という。
 伊丹らは愛から目撃証言を得ようとするが、カウンセラーの堀は愛と会わそうとしない。薫は花束を手に見舞いかたがた愛から話を聞こうとするが、結局伊丹とケンカになってしまい何もできない。堀は警察からの謝罪もなく、愛が警察に協力できるはずがない、と言い放つ。

 キングチャイルドから電話が入った。「サトウ」と「サイトウ」。聞き間違ったのか、言い違えたのか、美和子は言い争いをするが、突然キレたキングチャイルドは「お前の間違いだ!」と大声を張り上げる。思わず黙ってしまった美和子にキングチャイルドは「タナカクミコ」を殺害すると予告する。右京はそんな2人のやりとりから、キングチャイルドは美和子を陥れるためにわざと「サトウ」を「サイトウ」と言ったのでは、と推理。キングチャイルドは美和子を恨んでいるはずだというか、当の美和子に思い当たることがない。

「タナカクミコ」殺害まで時間がない。愛から花束のお礼メールを受け取っていた薫は、なんとか愛の心を開き、目撃証言を得ようとするが、愛は「みんな思い知ればいいのよ」と冷たく言い放つ。
 このままでは「タナカクミコ」が殺されるのを待つしかない。万策尽きた薫は、改めて愛を訪ね心を開こうとするが…。

ネタバレあり

  • 捜査一課の要請を受け、亀山は犯罪被害者の集いに参加。姉をストーカーに殺された愛が臨床心理士の堀から発言を促されるが、いまだにショックが大きく何も言えない。会が終了した後、亀山は堀に挨拶するが、強烈な嫌味を言われる。
  • 名指しで殺害を予告する電話が警察に入り、相次いで2人殺される。警察は記者会見を開くが、その会見の最中に犯人と名乗る男から美和子に電話が入る。今度は都内に住むサイトウアイという人間を3日以内に殺すという。「今度は助けられるかな?」と挑戦的な犯人に、美和子は右京の指示に従いいたずら電話と区別するためのキーワードを教えろと言うと、犯人は「キングチャイルド」と名乗る。
  • 美和子は捜査一課の24時間監視体制のもと、犯人からの電話を待つ。すると、キングチャイルドから美和子に電話が入り、予定より1日早く殺人を実行に移すと言う。
  • 逆探知に成功し、発信元とされる都内の公衆電話へと警官が急行するが、すでにキングチャイルドは逃げた後だった。周囲を捜索したものの、近くでタクシー止まっていただけ。中にいた運転手は仮眠を取っていたため、何も見なかったという。
  • 亀山がカウンセリングで目にした佐藤愛が何者かに襲われてけがをする事件が発生。美和子は「予告とは違う」と責められ「犯人は『サイトウアイ』と言っていた」と言い張るが、その時は電話の録音もされておらず証拠はない。落ち込む美和子に右京は「犯人の罠かも」と言う。
  • 伊丹らは愛から目撃証言を得ようとするが、カウンセラーの堀は愛と会わそうとしない。亀山は花束を手に見舞いかたがた愛から話を聞こうとするがこれも断られる。
  • キングチャイルドから電話が入る。「サトウ」と「サイトウ」。聞き間違ったのか、言い違えたのか、美和子は言い争いをするが、突然キレたキングチャイルドは「おまえの間違いだ!」と大声を張り上げる。そしてキングチャイルドは「タナカクミコ」を殺害すると予告。右京は2人のやりとりから、キングチャイルドは美和子を陥れるためにわざと「サトウ」を「サイトウ」と言ったのではと推理。
  • 亀山は愛に話を聞こうとするが、証言は得られず。しかし亀山は愛を連れ出し、警察に保護を求めるタナカクミコの姿を見せ、愛は心を動かされて「犯人は白い手袋をしていて『俺の親切を無視しやがって』と言っていたが意味はわからない」と証言。
  • 「白い手袋」という証言から、右京は「公衆電話の近くで職質されたタクシー運転手がいたが時刻は深夜1時、電車がなくなる時間でそんな時間に仮眠をするのは珍しい」と疑いの目を向ける。職務質問した警官に確認すると、タクシー会社は「王子キャブ」で「キングチャイルド」とつながる。美和子に王子キャブの運転手とトラブルがなかったか聞くと、「残業帰りで疲れている時に話し掛けてきてそっけない態度を取ったことはある」という。
  • 王子キャブへ行き、お客様アンケートを見ると第1の被害者が運転手・秋山への苦情を書いており、秋山を無線で呼び戻そうとするが応答せずGPSも切っているという。
  • 秋山の部屋を調べると、部屋の壁には予告殺人の記事の切り抜きがあり、被害者の住所が書かれたノートも発見。
  • 伊丹らが4人目のターゲットの田中久美子を保護。その家の前にタクシーが現れるが逃げられる。
  • 秋山は警察病院へ行って愛を殺そうとするが、右京が秋山の狙いを見抜いて愛を別の病室に移しており、秋山を確保。愛が「どうして私を」と聞くと、秋山は「座席に忘れたバッグを届けてやったのにあんたは礼も言わなかった」と言う。愛が「あの時は姉が殺されたショックで頭がいっぱいだった」と言うと、秋山は「言い訳なんていい、俺の親切に礼を言えないやつは生きている資格はない」と激昂。右京は「そんな身勝手な理屈を許すわけにいかない、これからはあなた自身が死の恐怖におびえて暮らすことになるだろう」と言い聞かせ、秋山は連行される。亀山は愛に「君の勇気が人の命を救った」と礼を言う。
  • 右京と亀山が犯罪被害者の集いに行くと伊丹と芹沢も来ており、一緒に参加。愛は「姉を殺されて人を信じる心を失った、何もしてくれなかった警察だけじゃなく姉を見殺しにした全ての人を恨んだ、けど今はある人たちのおかげで人を信じる心を取り戻すことができた、ほんの少しの勇気を持てば自分も誰かの役に立てるとわかり恐れは消えた」と語る。
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感想/気になる点など

  • 秋山(榊英雄)のノートには、田中久美子の住所(部屋番号)は「504」となっているが、実際には「502」。佐藤愛もあれで特定できたのか?っていう……。
  • 田中久美子は、狙われていると報道されていたり、警戒して警察手帳を見せるように言う割に、チェーンは外して応対する。
  • 回送や客を乗せてる時にタクシーの上の表示灯が点灯している(自治体によって違うけど、東京都では回送や実車時には表示灯は消灯することになっている)。
  • ※追記

  • 警官役で西沢智治さんがいた気がするけど、エンドロールに載らないとなかなか気付かないな……。
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キャスト

水谷豊:杉下右京
寺脇康文:亀山薫
鈴木砂羽:奥寺美和子
川原和久:伊丹憲一
山西惇:角田六郎
六角精児:米沢守
山中たかシ(山中崇史):芹沢慶二
片桐竜次:内村完爾
小野了:中園照生
榊英雄:秋山正則(タクシー運転手)
一戸奈未:佐藤愛
樋口浩二:堀明久(犯罪被害者相談員)
坂田雅彦:田嶋栄一郎(特殊班)
藤本浩二:秋山に職質した警官
山内勉:タクシー会社の主任
志水正義:大木長十郎
加藤忠可:北警察病院の医師
高松克弥:特殊捜査班?捜査員(逆探)
久保田龍吉:小松真琴
桜井聖:タクシー会社の無線センターの人
長友健太:特殊捜査班?捜査員(美和子の隣)
坂本大地:梅原(秋山を乗せたタクシーの運転手)
大塚和彦:記者
土井里美:アナウンサー
山本東:山本弘己(2人目の被害者)
八幡朋昭:記者
高橋睦美:北警察病院の看護師
平井愛子:警察に相談しに来た田中久美子の姉
木田有香:田中久美子(4人目のターゲット)
小笠原亜里沙:佐藤梨絵(愛の姉)
宮内彩花:田中久美子(警察に相談しに来た)
松尾晶代:最初の被害者?
松本康:秋山の部屋の管理人?

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主な複数回出演者

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ロケ地

劇中の場所 撮影場所
「心の部屋」が行われている場所 目白大学
佐藤梨絵が殺された場所 四反道跨線人道橋
山本弘己が殺された場所 月見橋(白子川)
警視庁 記者会見を行った部屋 川崎マリエン 研修室
警視庁 予告殺人対策本部 川崎マリエン 研修室
犯人が変更の電話をした公園 石神井公園
北警察病院(外観) 東京都立中央図書館
北警察病院(内部) スタジオジニアス 池袋グリーンスタジオ
犯人が予告の電話をした公衆電話(歩道橋の見える道) 光が丘駅近くの道
北警察病院の中庭みたいな場所 有栖川宮記念公園(笛ふき少年の像の近く)
王子東署(外観) 川崎マリエン 業務棟 外観
右京と亀山が車で通った場所 議事堂通り
田中久美子(4人目のターゲット)の住んでいるマンション シェリールコート
検問をしていた場所 東映東京撮影所 大森坂
秋山が行き先を警察病院に変更した後に通った場所 東映通り

<撮影場所ごとのまとめ>
目白大学[HP]:「心の部屋」が行われている場所
シェリールコート:田中久美子(4人目のターゲット)の住んでいるマンション
四反道跨線人道橋:佐藤梨絵が殺された場所
川崎マリエン[HP]:警視庁(記者会見を行った部屋、予告殺人対策本部)、王子東署(外観)
月見橋(白子川):山本弘己が殺された場所
石神井公園:秋山が予告の電話をした公園
光が丘駅近くの道:秋山が予告の電話をした公衆電話(歩道橋の見える道)
東京都立中央図書館:北警察病院(外観)
スタジオジニアス 池袋グリーンスタジオ[HP]:北警察病院(内部)
有栖川宮記念公園(笛ふき少年の像の近く):北警察病院の中庭みたいな場所
東映東京撮影所:検問をしていた場所
東映通り:秋山が行き先を警察病院に変更した後に通った場所
議事堂通り:右京と亀山が車で通った場所

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