「医療クラスタ」の発言の疑問点 その16(知念実希人氏の発言について その4)

知念実希人氏の下記ツイートを見て、少しまとめてみようと思いました。
「常に情報をアップデートして、最新の状況をお伝えしています」と言っていますが、その辺が気になったので。

  1. 「第6波」の予測に関するツイート
    1. 2021年10月6日 「その頃(11月下旬)に第6波が来ている可能性もあります」
    2. 2021年10月6日 「今後、経済再開により人流は増えていき、実行再生産数はある程度上がります」
    3. 2021年10月12日 「最近、第6波についての質問が来ますが、個人的には結構楽観的です」
    4. 2021年10月23日 「この冬に第6波は来るとしても極めて小さな波で、第5波のようなことにはならないと思います」
    5. 2021年10月26日 「日本ほどブースト接種までしっかり確保して計画的に行える国は殆どありません」
    6. 2021年10月27日 「年末年始ごろに感染が少し拡大する可能性はありますが、十分なワクチン接種率の現在、それほどひどいことにならないと思っています」
    7. 2021年11月3日 「(吉村知事も)現在は第6波への対応も完璧だと思います」
    8. 2021年11月21日 「今後は以下に素早くブースト接種を進めていけるかに、第6波の大きさは左右されると思います」
    9. 2021年12月25日 「正直、来月末〜再来月にかけて都市部を中心にオミクロンの感染爆発が起きる可能性は十分にあると思います」
    10. 2021年12月25日 「それ(追加接種)が人的・経済的損失を抑えて第6波を乗り越える最適で、唯一の方法です」
    11. 2021年12月26日 「第6波の死亡者は比較的抑えられる可能性が高いと思います」
    12. 2021年12月27日 「来月末〜再来月にかけてオミクロンによる第6波が起きる可能性は十分に有りますが、(中略)死者は少なく済むとは思います」
    13. 2022年1月4日 「それでも個人が出来ることは変わりません。マスク・三密回避等の感染対策、予防接種です。」
    14. 2022年1月4日 「この(高い接種率の)おかげて日本にて第6波の死者はだいぶ抑えられるはずです」
    15. 2022年1月5日 「大部分の方がワクチン接種を受けていることより、死者・重症者は比較的抑えられるでしょう」
    16. 2022年1月6日 「第6波の犠牲者は第4.5波程は出ないとは思います」
    17. 2022年1月6日 「第6波での死者は比較的抑えられると思います」
    18. 2022年1月8日 「追加接種を受けられたことに感謝して頑張ります」
    19. 2022年1月10日 「コロナ禍の終わりは確実に近づいています」
    20. 2022年1月10日 「政府が重い腰を上げはじめました」
    21. 2022年1月16日 「この第6波をどう収束させるのが正解なのかはまだ分かりません」
    22. 2022年1月19日 「第4波、第5波に比べると、COVID-19による死者は少なく、さらに感染自体も来月には急速に収束していく可能性が高いです」
    23. 2022年1月19日 「保育士に可能な限り早く追加接種の機会を提供するべきです」
    24. 2022年1月21日 「ブースター接種も、5〜11歳への接種も、特効薬パクスロビドも、すべて第6波に間に合わなかった」
    25. 2022年1月24日 「検査キットは足りないのは純然たる事実なので、検査対象を絞るのは仕方ないと思います」
    26. 2022年1月27日 「多くの方がしっかり感染対策を徹底すれば、第6波は急速に収まっていきます」
    27. 2022年1月27日 「現在の実効再生産数は1.2程度で、これを1以下にすれば感染は急速に収束していきます」
    28. 2022年1月27日 「生後半年以降の全ての希望する方々にワクチン接種の機会が与えられた段階で、新型コロナをインフル程度の扱いにすることはできると思います」
    29. 「第6波」に関してのまとめ
  2. 「出口」「日常を取り戻す」に関するツイート
    1. 2021年9月13日 「ようやくコロナ禍も出口が見えてきました」
    2. 2021年9月17日 「コロナ禍の出口ははっきりと見え始めています」
    3. 2021年10月3日 「日常を取り戻すためのラストスパート、頑張りましょう!」
    4. 2021年10月7日 「日常を取り戻すまであと少しです!」
    5. 2021年10月8日 「長かったトンネルの出口が見え始めました」
    6. 2021年10月11日 「コロナ禍の出口は近いです」
    7. 2021年10月30日 「コロナ禍、もうすぐ終わりますよ」
    8. 2021年11月3日 「コロナ禍の出口がはっきりと見え始めました!」
    9. 2021年12月7日 「コロナ禍の出口は確実に近づいています」
    10. 2022年2月20日 「コロナ禍の出口は着実に近づいています」
    11. 2022年4月7日 「日常を取り戻すため、あと一息、頑張りましょう!」
    12. 2022年6月8日 「全国民の60%(高齢者の85%)が追加接種を受け、SARS-Cov2の脅威が相対的に下がり、コロナ禍の出口が見え始めた」
    13. 2022年8月16日 「出口に近づける手段は、ワクチン接種率の向上、特に子供への接種推進しかありません」
    14. 2022年8月16日 「出口は数をかぞえるのをやめることではなく、感染を抑え込むこと。または重症化する人がいなくなるようにすること。」
    15. 2022年9月8日 「ワクチン接種以外に少ない被害で日常を取り戻す手段はない」
    16. まとめ
      1. Long Covidに関して追記
  3. 全体のまとめ
スポンサーリンク

「第6波」の予測に関するツイート

2021年10月6日 「その頃(11月下旬)に第6波が来ている可能性もあります」

「可能性もあります」という言い方なのでノーコメント。

2021年10月6日 「今後、経済再開により人流は増えていき、実行再生産数はある程度上がります」

実効再生産数、上がりましたかね? こういう「見込み」を断言しちゃうのはよろしくないと思います。
あと、やはりワクチンをプッシュしすぎ、という印象が。

2021年10月12日 「最近、第6波についての質問が来ますが、個人的には結構楽観的です」

「ただ、警戒は必要です」とは付け加えていますが、楽観的だったのですね。結果、どうなったか……。

2021年10月23日 「この冬に第6波は来るとしても極めて小さな波で、第5波のようなことにはならないと思います」

心配しているのも「未接種」のことのみ。

2021年10月26日 「日本ほどブースト接種までしっかり確保して計画的に行える国は殆どありません」

後に下記ツイートのように「現政権のワクチン政策は遅すぎる」と言っているのですが、当時の評価は違ったようです。岸田政権発足は10月5日。上記ツイートより前でしたが、「当時は岸田政権のワクチン政策がこんなに遅いとは思わなかった」ということですかね。

2021年10月27日 「年末年始ごろに感染が少し拡大する可能性はありますが、十分なワクチン接種率の現在、それほどひどいことにならないと思っています」

「年末年始ごろに感染が少し拡大」。

2021年11月3日 「(吉村知事も)現在は第6波への対応も完璧だと思います」

吉村知事の言動はあまり追っていませんが、「第6波への対応」は完璧だったのでしょうか?

2021年11月21日 「今後は以下に素早くブースト接種を進めていけるかに、第6波の大きさは左右されると思います」

ブースト接種が素早く行われていれば違う結果になった可能性はあるとは思いますが。

2021年12月25日 「正直、来月末〜再来月にかけて都市部を中心にオミクロンの感染爆発が起きる可能性は十分にあると思います」

12月25日で「来月末〜再来月にかけて感染爆発が起きる」という認識はいくらなんでもひどいと思います。12月25日にはすでに新規感染者数が前週比1.5倍などになっていたわけで。

2021年12月25日 「それ(追加接種)が人的・経済的損失を抑えて第6波を乗り越える最適で、唯一の方法です」

どこまで行っても「ワクチン万歳」。

2021年12月26日 「第6波の死亡者は比較的抑えられる可能性が高いと思います」

抑えられましたかね?

2021年12月27日 「来月末〜再来月にかけてオミクロンによる第6波が起きる可能性は十分に有りますが、(中略)死者は少なく済むとは思います」

27日になってもまだ「来月末〜再来月にかけて」と時期を読み誤り、「第4波、第5波に比べれば、死者は少なく済む」と予想。

2022年1月4日 「それでも個人が出来ることは変わりません。マスク・三密回避等の感染対策、予防接種です。」

「個人が出来ることは変わりません」というのもわからなくはないですが、それでは限界があるので行政がもっといろいろとすべきと思うんですが。

2022年1月4日 「この(高い接種率の)おかげて日本にて第6波の死者はだいぶ抑えられるはずです」

第6波の死者、抑えられましたか?

2022年1月5日 「大部分の方がワクチン接種を受けていることより、死者・重症者は比較的抑えられるでしょう」

抑えられましたか?

2022年1月6日 「第6波の犠牲者は第4.5波程は出ないとは思います」

出なかったですか?

2022年1月6日 「第6波での死者は比較的抑えられると思います」

抑えられましたか?
また、「long covidと呼ばれる後遺症」に言及し、「可能な限り感染者自体を減らしたいです」とは言っていますが、一番訴えているのが「ワクチン接種」では「何を言ってるんですか?」と聞きたくなります。

2022年1月8日 「追加接種を受けられたことに感謝して頑張ります」

ノーコメント。

2022年1月10日 「コロナ禍の終わりは確実に近づいています」

知念氏の考える「コロナ禍の終わり」というのは一体どういう状況を指すのでしょうか?
個人的には、終わりが近づいているとは全く感じないのですが。

2022年1月10日 「政府が重い腰を上げはじめました」

10月には「遅れてはいない」と政府を擁護していましたが、1月には評価が変わっていたのですね。

2022年1月16日 「この第6波をどう収束させるのが正解なのかはまだ分かりません」

ノーコメント。

2022年1月19日 「第4波、第5波に比べると、COVID-19による死者は少なく、さらに感染自体も来月には急速に収束していく可能性が高いです」

死者数についてはこれまでと同じですが、「感染自体も来月には急速に収束していく可能性が高い」という予想が。確かに海外の様子を見れば「急速に減少」と期待したいところでしたが、結果はだらだらとした減少に。

2022年1月19日 「保育士に可能な限り早く追加接種の機会を提供するべきです」

「子供の感染者の多さはこれまでとはまったく違います」「保育園でクラスターが多発」と分析して、「保育士に可能な限り早く追加接種の機会を提供するべきです」と結局はワクチンに結び付ける。「保育園でクラスターが発生しにくくする」と考えることはできないようです。

2022年1月21日 「ブースター接種も、5〜11歳への接種も、特効薬パクスロビドも、すべて第6波に間に合わなかった」

それはそうですが、「感染拡大防止」については全く触れず。医者だから仕方ないのか。

2022年1月24日 「検査キットは足りないのは純然たる事実なので、検査対象を絞るのは仕方ないと思います」

そうするのは仕方ない部分はありますが、そういう状況を作ったのは誰なのか。
「PCR検査の特異度が!」とか。「野良検査が!」とか言っていた人たちが作り出したのではないでしょうか?
知念氏がどう言っていたかは知りませんが、コロナ禍が始まって2年以上も経ってそれが改善されないので「終わり」が見えないんです。

2022年1月27日 「多くの方がしっかり感染対策を徹底すれば、第6波は急速に収まっていきます」

結果、急速には収まりませんでしたが、こういうのを断言するのが知念氏らしいところです。

2022年1月27日 「現在の実効再生産数は1.2程度で、これを1以下にすれば感染は急速に収束していきます」

結果、急速には……。

2022年1月27日 「生後半年以降の全ての希望する方々にワクチン接種の機会が与えられた段階で、新型コロナをインフル程度の扱いにすることはできると思います」

本当に? 以前、自身がLong Covidに言及していましたが、それはワクチンを接種すれば問題なくなり、インフル程度の扱いにできるのでしょうか?

「第6波」に関してのまとめ

だいぶ「予想」を外してますよね。それでも「間違っても後から訂正すればいい」と考えているんですかね? それが悪いことだとは思いませんが、間違えすぎでは?
あと、これでは「ピークアウト芸人」と呼ばれた人と何が違うのかわかりません。

スポンサーリンク

「出口」「日常を取り戻す」に関するツイート

2021年8月22日に「デルタの伝播性がはっきりした時点で集団免疫は難しくなった」ということなので、それ以降でピックアップ。

2021年9月13日 「ようやくコロナ禍も出口が見えてきました」

何が見えたのでしょうか?

2021年9月17日 「コロナ禍の出口ははっきりと見え始めています」

何が見えたのでしょうか?

2021年10月3日 「日常を取り戻すためのラストスパート、頑張りましょう!」

ラストスパートは今も続いているのでしょうか?

2021年10月7日 「日常を取り戻すまであと少しです!」

あと少しとはどれくらい?

2021年10月8日 「長かったトンネルの出口が見え始めました」

トンネルからは出られたのでしょうか?

2021年10月11日 「コロナ禍の出口は近いです」

近かったですか?

2021年10月30日 「コロナ禍、もうすぐ終わりますよ」

終わりましたか?

2021年11月3日 「コロナ禍の出口がはっきりと見え始めました!」

もっと前に「見え始めた」のに、また見え始めたのですか?

2021年12月7日 「コロナ禍の出口は確実に近づいています」

前に「近い」と言っていましたが。

2022年2月20日 「コロナ禍の出口は着実に近づいています」

前に「近い」と言っていましたが。

2022年4月7日 「日常を取り戻すため、あと一息、頑張りましょう!」

「あと一息」とはどれくらい?

2022年6月8日 「全国民の60%(高齢者の85%)が追加接種を受け、SARS-Cov2の脅威が相対的に下がり、コロナ禍の出口が見え始めた」

また「見え始めた」ですか。

2022年8月16日 「出口に近づける手段は、ワクチン接種率の向上、特に子供への接種推進しかありません」

ワクチンだけでは無理では?

2022年8月16日 「出口は数をかぞえるのをやめることではなく、感染を抑え込むこと。または重症化する人がいなくなるようにすること。」

Long Covidのことは頭になさそうですね。

2022年9月8日 「ワクチン接種以外に少ない被害で日常を取り戻す手段はない」

ワクチンではLong Covidは劇的には改善されないと思いますが、それは無視でいいのでしょうか?

まとめ

1年前から「コロナ禍の出口」が見えているようですが。いつになったらたどり着くのでしょうか?
また、「出口は感染を抑え込むこと。または重症化する人がいなくなるようにすること」という発言からはLong Covidのことは念頭にないように感じられます。仮にワクチンの効果もあって死亡者や重症化する人が減ったとして、Long Covidは大問題だと思うのですが。
あと、「集団免疫が可能」と考えていた時は「体質的に打てない人もいるので免疫の壁を構築しよう」と言っていたのですが、「集団免疫は不可能」であればそのような人たちを守れなくなるのでは? それは置き去りでいいのですか?

Long Covidに関して追記

「(Long Covidは)予防接種でリスクが抑えられます」って根拠は?

「ワクチン未接種の状態で多くの国民がウイルスに晒された欧米では、今後、後遺症がかなり大きな社会問題になりそうですね」ともあり、ワクチン接種した人はLong Covidになりにくいと思い込んでいるようですね……。

ワクチン接種者のlong COVIDリスク|CareNet.com
 ブレークスルー感染者においてもコロナ罹患後症状(いわゆる後遺症、longCOVID)が発現するか、米国退役軍人のコホート研究で調査した結果、急性期以降の死亡やコロナ罹患後症状発現のリスクがあることが確認されたが、ワクチン未接種の感染者より発現リスクが低いことが示された。本結果は、NatureMedicine誌オンライ...

 研究グループはこの結果に対して、ワクチン接種は感染後の死亡と罹患後症状のリスクを部分的にしか減少させることができないため、SARS-CoV-2感染による長期的な健康への影響のリスクを軽減させるためには、ワクチンだけではなく予防対策が必要であるとしている。

上記のような研究結果があり、ワクチン接種でLong Covidが減少するにしても無視できるものではないと思いますが。

スポンサーリンク

全体のまとめ

「事前にどのような変異が起きるかわからないのだから外れるのは仕方ない」という擁護はできますが、「変異が起きるのはわかっているんだから軽々しく予想すべきではない」と思いますし、下記のように「淘汰圧をかけつつ、根絶はしないなら、淘汰圧の回避能力が進化する」とその後の展開を言い当てている人もおり、「オミクロンのように免疫回避する変異が起きる」というのはわかる人にはわかっていたわけです。これを見ると、知念氏の一連の発言は擁護できるものではないのではないか、と思ってしまいます。

とにかく、「常に情報をアップデートして、最新の状況をお伝えしています」というだけでなく、もう少し先も見越して発言した方がいいのではと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました